読書の愉しみ

読書の感想をあれこれ書くブログ

「マシアス・ギリの失脚」

この作品は、学生の頃に読んだ作品だが立派に今も書店で定番として採用されている。書店で見かけたら、ぜひ手に取ってみてほしい。

おそらく、ガルシア・マルケスにインスパイアされて、池澤氏が書いた小説だろうと考える。「百年の孤独」は、南米のジャングルだが、「マシアス・ギリ」は島嶼の話。物語は何層にも分かれていて、実はおとぎ話とも取れる構造をしていて面白い。

風土からくる呪術というのはこんな感じかと思った一作。それもおとぎ話としてしまう池澤氏の腕前にも脱帽。